誰が鈴を付けるのか?
事務方の総合職の頃のできごとです。北陸地方に赴任して間もない頃でした。
中部地区で、3本の指に入るトップセールスマンが赴任先にいました。
営業成績も収入も赴任先ではダントツで、赴任先の周囲の皆さんは、
『腫物』に触れるように接していたと思います。
赴任間もない私自身も周囲と同じだったと思います。
このような接し方をしていると人間は、錯覚に陥ってしまうようです。
このセールスマンもそうでした。
会社には、ルールがあります。
しかし、ルールを無視してわがままに行動するようなっていました。
本社の役員からちやほやされるようにもなっていました。
ある時、獲得した営業の案件で問題が発生しました。すんなり、決まりません。
冷静に確認してみると、案の定、社内のルール違反がたくさんありました。
ゴリ押ししようと、このセールスマンが取った行動は、本社の事務方の責任者
を飛び越して、懇意の役員に直訴したのです。
事務方の責任者も役員からの指示がある以上、北陸の現場と連携しながら、
社内ルールのギリギリまで無理を通してくれました。
当然ながら、現場に赴任していた私は、事務方の責任者の依頼事項をこなす
日々が続いたことを覚えています。
当のセールスマンは、出来て当たり前!と思っていたようです。
周囲の皆さんや上司、赴任先の責任者もただただ安堵していただけでした。
このセールスマンは過去も同じようなことを起こしてきた。
このままでは、これから先も同じことを起こす。
このままでは、営業成績も全国レベルに到達しない。
そこで、意を決して、降格を覚悟して、セールマンを諭すことにしました。
営業と事務は、車の両輪。
どちらが欠けても、どちらの大きさも同じでないと、上手くいかない。
ましてや各々立場に応じて様々な人が関っている。
その関わってくれた人たちに感謝しないといけない。
今回の案件では、本社の事務方の責任者に、お礼をひと言伝えてほしい。
自分の立場をわきまえて、役員に直訴することはルール違反。
この案件でも社内の手続上のルール違反があった。
しかし、事前に相談してもらえれば、クリアーできるものばかりだった。
私を信じて、これからは事前に相談してほしい。
そして、全国トップを目指そう!みんなが支えてくれるはずだから・・・・
諭した相手は、年齢が一回り以上離れたセールマン。
私の覚悟が伝わったのでしょうか?
奇しくもその後この土地で4年間勤務することとなり、
このセールマンの相談相手になり、
ついには、全社でトップ3に上りつめました。
まだ20代後半の頃のできごとでした。
お気軽にご相談ください。