精神疾患と労災認定・・・・・その1
厚生労働省から公表された統計データによれば、平成26年度の精神障害による
労災申請件数は1,456件、支給決定件数は497件です。
興味深いことは、請求されたものの業務上と認められない件数が、約800件ある
ことです。
従って、概ね請求件数の約30%弱が労災認定されていることになります。
平成22年度から平成26年度の推移を見ても支給決定は、約25%~約30%とさほ
ど差異はみられません。
ただし、請求件数は、平成22年度の1,181件に比し、年々増加傾向にあり、平成26
年度の際立った傾向は、管理職の請求件数が増加していることです。
厚生労働省では、平成23年に精神障害の労災認定に関し、新たな認定基準を設
けました。
この基準によれば、業務による具体的な出来事があり、その出来事とその後の状
況が労働者に強い心理的な負荷を与えたこと、しかもこの心理的負荷の強度は、
同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されます。
具体的には、業務による心理的負荷評価表により、『強』、と評価される場合に、業
務による強い心理的負荷が認められることになります。
昨今のパワーハラスメントによる「うつ病」罹患などが典型的な精神障害による労災
申請ですが、支給決定状況は前述のとおりです。
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