精神障害と労災認定・・・・・その2
精神障害による労災申請件数は増加傾向にあるものの、支給決定状況は
平成22年度から平成26年度までさほど変化が見られません。
例えば、次のような事案の場合、労災と認められるものでしょうか?
被災者は、「うつ病」を発症し、通院治療を続けていたが、自殺をした。
被災者遺族は、被災者の「うつ病」は、上司との人間関係が原因であると申
し立てている。
<業務による出来事>
・発症前6か月間に、心理的負荷が極度のもの(例えば、生死にかかわる極
度の苦痛を伴う業務上の病気やケガなど)や極度の長時間労働は認めら
れない。
・上司から業績目標の未達成などに対して厳しく指導を受けていた。
・課長に昇格し、また、商品欠陥の顧客クレームの対応に当たっていた。
一見すると「パワーハラスメント」事案と評価する可能性がありますが、精神
障害の労災認定基準によれば、上司とのトラブルは強とは評価できず、中、
の評価となり、労災認定に当たらないことになるそうです。
このように、精神障害が外部からのストレスや個人の対応力の強さといった
様々な要因により発症するため、さらに、行政においても慎重に評価される
ため労災認定のハードルは、決して低いものではありません。
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